【保存版】フリーランスの定額減税対策!対象者・計算方法・手続きをわかりやすく解説!

「定額減税って、フリーランスの私はどうなるの?」「会社員の知人は給料から引かれるらしいけど、自分はいつ?」「手続きが複雑そうで、なんだか損をしてしまいそう…」

ニュースで話題の定額減税について、このような不安や疑問を抱えるフリーランスの方は多いのではないでしょうか。

会社員と違い、フリーランスは自分で税金の手続きを行うため、制度の理解が不可欠です。

しかし、専門用語が多く、自分にどう関係するのか分かりにくいのが実情でしょう。

この記事では、そんなあなたのための「定額減税トリセツ」として、専門用語を極力使わずに解説します。

この記事を最後まで読めば、あなたがやるべきことが明確になるでしょう。

漠然としたお金の不安を解消し、安心して本業に集中できるようになりましょう。

Contents

そもそも定額減税とは?フリーランスが知っておくべき3つの基本

まずは、複雑な制度を理解するために、最も重要な3つの基本ポイントを押さえましょう。

定額減税とは、物価高騰から国民の生活を守ることを目的とした、国の一時的な経済対策です。

フリーランスや個人事業主も、もちろん対象に含まれます。

①【対象者】あなたも対象?所得1,805万円の壁を確認

定額減税は、すべての人が対象になるわけではありません。

合計所得金額が1,805万円以下の方が対象です。

多くのフリーランスの方がこの条件に当てはまるでしょう。

ただし、所得税と住民税で判定に使われる所得の年が違う点に注意が必要です。

税金の種類判定に使われる合計所得金額
所得税2024年分(来年申告するもの)
住民税2023年分(今年申告したもの)

合計所得金額は、確定申告書第一表の「所得金額等」の「合計(⑫)」欄で確認できます。

②【減税額】所得税3万円・住民税1万円!扶養家族がいる場合の計算方法

減税される金額は、納税者本人と、生計を同じくする配偶者や扶養親族の人数によって決まります。

  • 本人:所得税3万円 + 住民税1万円 = 合計4万円
  • 同一生計配偶者または扶養親族:1人あたり 所得税3万円 + 住民税1万円 = 合計4万円

例えば、フリーランス本人と扶養している配偶者、子ども1人(16歳以上)の3人家族の場合、減税額は以下のようになります。

対象者所得税の減税額住民税の減税額合計減税額
本人3万円1万円4万円
配偶者3万円1万円4万円
子ども3万円1万円4万円
家族合計9万円3万円12万円

※16歳未満の扶養親族は、2024年分の所得税の扶養控除の対象外ですが、定額減税の人数には含まれます。

③【対象税金】減税されるのは「所得税」と「住民税」の2つ

定額減税は、あなたが納める税金のうち、2つの税金から差し引かれます。

  1. 所得税
  2. 住民税(所得割)

この2つの税金では、減税されるタイミングや手続きの方法が異なります。

【フリーランスの手続き】定額減税はいつ・どうやって受ける?所得税と住民税の流れ

会社員は、会社が年末調整などで手続きをしてくれます。

しかし、フリーランスは自分自身で手続きを進める必要があります。

ここでは、「所得税」と「住民税」に分けて、いつ、どのように減税が適用されるのか、その全体像を解説します。

所得税の減税:基本は「確定申告」で手続き【ケース別解説】

所得税の減税方法は、あなたが「予定納税」の対象者であるかどうかで異なります。

予定納税とは、前年の所得などを基に計算された所得税の一部を、あらかじめ前払いする制度のことです。

ケース1:予定納税がある人 → 2024年7月の第1期分から自動で控除

前年の所得税額が15万円以上だった方は、予定納税の対象となります。

この場合、特別な手続きは基本的に不要です。

  • 第1期(7月)の予定納税:まず本人分の所得税3万円が自動的に控除されます。
  • 第2期(11月)の予定納税:第1期で引ききれなかった額や、扶養家族分の減税額が控除されます。
  • 確定申告(翌年3月):年間の所得税額が確定し、最終的な精算が行われます。

扶養家族がいる場合、7月の第1期から家族分の減税も受けたい場合は、「予定納税額の減額申請」を行うことも可能です。

用語意味
予定納税額の減額申請廃業や業績不振、扶養親族の増加などで、その年の所得税額が予定納税の基準額より少なくなると見込まれる場合に行う手続き。

ケース2:予定納税がない人 → 2025年3月の確定申告で減税

ほとんどのフリーランスの方はこちらに該当するでしょう。

予定納税の対象ではない場合、減税のタイミングは1回です。

  • 2025年2月~3月に行う確定申告
  • 2024年1年間の所得を計算し、納めるべき所得税額を算出します。
  • その算出された所得税額から、定額減税額(本人+扶養家族分)がまとめて差し引かれます。

つまり、日々の業務で何か特別なことをする必要はありません。

例年通り確定申告の準備を進め、申告時に減税の処理を忘れずに行うことが重要です。

住民税の減税:手続き不要!2024年6月以降の納付分から自動で控除

住民税の定額減税については、フリーランスが自ら行う手続きは何もありません。

お住まいの市区町村が自動的に計算し、減税後の金額で通知してくれます。

フリーランスの場合、住民税は「普通徴収」という方法で納付します。

これは、年4回(6月、8月、10月、翌1月)に分けて自分で納付する方法です。

定額減税は、この納付スケジュールに沿って以下のように適用されます。

  1. 2024年6月分の納付額から、まず住民税の定額減税額(本人+扶養家族分)が全額控除されます。
  2. もし6月分だけで減税額を控除しきれなかった場合は、残りの額が8月分の納付額から控除されます。
  3. それでも控除しきれない場合は、10月分、翌1月分と順に繰り越されて控除が続きます。

あなたは、6月頃に届く納税通知書を確認し、記載された金額を納めるだけでOKです。

【確定申告書の書き方】定額減税の記載ポイントを2ステップで解説

予定納税がないフリーランスの方は、2025年に行う確定申告で減税の手続きをします。

ここでは、確定申告書にどうやって定額減税の内容を記載するのか、2つのステップで解説します。

まだ様式は確定していませんが、国税庁から公表されている情報に基づくポイントです。

ステップ1:第一表への記載方法

確定申告書第一表では、主に2つの欄に記入が必要です。

「税金の計算」エリア内の「定額減税額㊹」欄

ここに、あなたと扶養親族の分の所得税の定額減税額の合計(例:1人なら3万円、3人なら9万円)を記入します。

「税金の計算」エリア内の「再々差引所得税額㊺」欄

本来の所得税額から、定額減税額を差し引いた後の金額を記入します。

もし減税額の方が大きく、この欄がマイナスになる場合は「0」と記入します。

ステップ2:第二表への記載方法

第二表では、扶養している配偶者や親族の情報が正しく記載されているかを確認します。

「配偶者や親族に関する事項」欄

定額減税の対象となる同一生計配偶者や扶養親族がいる場合、その人の氏名などを記入します。

最も重要なのが、一番右の「その他」という欄です。

ここに「2」(定額減税対象者であることを示すコード)を記入する必要がある見込みです。

この記載を忘れると、家族分の減税が受けられない可能性があるので注意が必要です。

「納税額が少なく減税しきれない…」その不安、調整給付金で解決!

「そもそも年間の納税額が3万円もないんだけど…」

「赤字だから、所得税も住民税もゼロ。これって減税の恩恵を全く受けられないの?」

そんな心配をされている方もいるかもしれません。

ご安心ください。

定額減税の4万円(所得税3万円+住民税1万円)を控除しきれない方のために、差額を給付する仕組みがあります。

調整給付金とは?対象者と給付額の計算方法

調整給付金は、定額減税で控除しきれないと見込まれる額を1万円単位に切り上げて給付する制度です。

用語意味
調整給付金定額減税可能額が、減税前の所得税額・住民税所得割額を上回る場合に、その差額を補うために支給されるお金。

計算は少し複雑ですが、要は「もらい損ねた減税分を、給付金として補ってもらえる」ということです。

【計算例】単身フリーランスで、年間の税額が所得税5,000円、住民税所得割8,000円の場合

  1. 所得税の不足額を計算
    • 減税額30,000円 - 所得税額5,000円 = 25,000円
  2. 住民税の不足額を計算
    • 減税額10,000円 - 住民税額8,000円 = 2,000円
  3. 不足額を合計する
    • 25,000円(所得税不足額) + 2,000円(住民税不足額) = 27,000円
  4. 1万円単位に切り上げる
    • 27,000円 → 30,000円
  5. この場合、30,000円が調整給付金として支給されます。

調整給付金の受け取り方(申請方法)と注意点

調整給付金も、基本的にお住まいの市区町村が手続きを進めてくれます。

対象となる方には、夏以降に自治体から「支給確認書」などが送られてくる予定です。

手続きの流れ

  • 自治体から通知が届く。
  • 内容を確認し、必要事項を記入して返送する。
  • 指定した口座に給付金が振り込まれる。

詐欺の典型的な手口

この制度に便乗した詐欺には十分注意してください。

  • ATMの操作を依頼してくる。
  • 手数料の振込を要求してくる。
  • メールやSMSでURLをクリックさせ、個人情報を入力させようとする。

公的機関が電話やメールでこのような依頼をすることは絶対にありません。

少しでも怪しいと感じたら、すぐに警察や消費者ホットライン(電話番号188)に相談してください。

フリーランスが定額減税で損しないためのQ&A

ここでは、フリーランスの方が抱きがちな、より細かい疑問についてQ&A形式でお答えします。

Q1. ふるさと納税や住宅ローン控除との関係は?上限額は変わる?

A1. ふるさと納税の上限額や住宅ローン控除に影響はありません。

税金の計算には順番があります。

定額減税は、ふるさと納税(寄附金控除)や住宅ローン控除といった、他の控除をすべて適用した「後」の最終的な税額から差し引かれます。

そのため、ふるさと納税の上限額の計算は、定額減税がなかった場合と同じです。

また、住宅ローン控除で所得税がゼロになったとしても、引ききれなかった定額減税分は調整給付金として受け取れるので損はありません。

Q2. 2024年途中に開業・廃業した場合はどうなる?

A2. 最終的に2025年3月の確定申告で精算されるのでご安心ください。

例えば、2024年10月に会社を辞めてフリーランスとして開業したとします。

この場合、会社員時代の給与からは月々の減税が行われますが、全額は引ききれていないはずです。

その引ききれなかった分は、確定申告でフリーランスとしての所得と合算して計算する際に、正しく減税が適用されます。

最終的な帳尻は確定申告で合うようにできています。

Q3. 2025年以降はどうなるの?

A3. 定額減税は、原則として2024年分のみの一時的な措置です。

2025年以降は現在のところ定額減税は予定されていません。

2025年の確定申告が終われば、この制度のことは一旦忘れて大丈夫です。

ただし、ごく一部の自治体では、特定の条件を満たす人に対して2025年度の住民税で独自の減税措置を検討している場合があります。

税制は常に変わる可能性があるため、国税庁や自治体の公式サイトで最新情報を確認する習慣をつけることが重要です。

【独自】複雑な制度変更に備えるために。フリーランスが今できること

今回の定額減税のように、税金や社会保障の制度は予告なく変更されることがあります。

そのたびに情報を集め、自分の場合はどうなるのかを判断するのは大変な作業です。

私たち株式会社ライフシフトワークスは、AI活用支援や業務自動化を通じて、多くの中小企業や個人事業主の方々のサポートを行ってきました。

その経験から言えるのは、不安定な時代を乗り切るためには、変化に動じない「事業の軸」を持つことが何よりも重要だということです。

制度変更のたびに本業が手につかなくなるようでは、事業の成長は望めません。

日頃から信頼できる専門家に相談できる体制を整え、会計ソフトを導入して経理を効率化するなど、本業に集中できる環境を整えておくことが、結果的に最大の防御策となります。

まとめ:フリーランスの定額減税はやること3つ!安心して本業に集中しよう

ここまで、フリーランスのための定額減税について解説してきました。

多くの情報がありましたが、あなたが今やるべきことは、実は非常にシンプルです。

  1. 【確認】自分が対象か、減税額はいくらかを把握する
    • 合計所得が1,805万円以下で、扶養家族が何人いるかを確認しましょう。
  2. 【待つ】住民税は手続き不要!自治体からの通知を待つ
    • 6月頃に届く納税通知書を確認するだけでOKです。
  3. 【申告】所得税は2025年の確定申告で対応する
    • 予定納税がない方は、2025年3月の確定申告で忘れずに記載しましょう。

そして、もし税額が少なくて減税しきれなくても、「調整給付金」で差額が戻ってくることを覚えておいてください。

あなたは何も損をしません。

制度の全体像を理解し、やるべきことを明確にすれば、税金に対する漠然とした不安は消えていきます。

安心して、あなたの創造性や専門性が発揮される本業に集中してください。

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