リンクスパムとは?種類やリスク・効果的な対策を徹底解説

Webサイトの検索順位がなかなか上がらない。

あるいは、少しずつ順位が下がっている気がする。

そんな悩みを抱えているなら、原因は「リンクスパム」かもしれません。リンクスパムとは、気づかないうちにサイトの評価を大きく下げる可能性がある、非常に厄介な存在です。

この記事では、Web担当者やサイト運営の初心者の方に向けて、以下を分かりやすく解説します。

  • リンクスパムの正確な意味と危険性
  • 無料でできる、危険なリンクの確認方法
  • もし見つけてしまった場合の正しい対処法
  • 今後、リンクスパムを防ぐための予防策

専門知識は不要です。手順に沿って確認すれば、ご自身のサイトが健全かどうかが判断できます。

最後まで読んで、サイト運営の不安を解消しましょう。

目次

まずは基本から!リンクスパムの正体とSEOへの深刻な影響

本格的な対策を始める前に、基本となる知識を整理しましょう。

なぜリンクスパムが問題視され、対策が必須なのかを理解することが重要です。

「知らなかった」では済まされないリスクを正しく把握し、サイトを守る意識を高めていきましょう。

「リンクスパム」と「スパムリンク」の違いとは?用語を正しく理解しよう

まず、混同しやすい2つの言葉の違いをはっきりさせましょう。

「リンクスパム」と「スパムリンク」は似ていますが、意味が異なります。

この違いを理解すると、Googleのガイドラインなどの情報も正確に読み解けるようになります。

用語意味
リンクスパム検索順位を不正に操作しようとする「行為」全般を指します。
スパムリンクリンクスパムという行為によって作成された、低品質で不自然な「リンクそのもの」を指します。

つまり、Webサイトの評価を下げる原因となるのは「スパムリンク」です。

そして、そのスパムリンクを生み出す不正な「行為」が「リンクスパム」と呼ばれます。

これが危険信号!Googleがガイドライン違反と見なすリンクの具体例

Googleは、検索品質を保つために不正なリンクを厳しく取り締まっています。意図していなくても、以下のような行為はリンクスパムと見なされる可能性があります。

ご自身のサイト運営に当てはまるものがないか、確認してみてください。

リンクスパムの種類説明
有料リンクの売買検索順位を上げる目的で、金銭を払ってリンクを購入したり、販売したりする行為です。
過剰な相互リンク「リンクを交換しましょう」という目的のみで、関連性の低いサイトと大量にリンクを張り合う行為です。
低品質なサイトからのリンクスパムサイトや、自動生成された内容の薄いサイトからのリンクです。
隠しリンク背景色と同じ色の文字でリンクを設置するなど、ユーザーに見えないようにリンクを埋め込む行為です。
コメントスパムブログのコメント欄などに、記事と無関係な宣伝目的のリンクを大量に投稿する行為です。
不自然なアンカーテキスト「格安 SEO対策」のように、キーワードだけを詰め込んだテキストでリンクを設置する行為です。

上記には過去に有効であった手法も含まれていますが、現在ではGoogleのガイドラインに違反し、ペナルティを受けるリスクが高まっています。

関連記事:ペイドリンクとは?知らないと危険!SEOペナルティのリスクと安全な被リンク獲得法を徹底解説

放置はNG!検索順位下落や手動ペナルティなどSEOへの致命的なリスク

スパムリンクを放置すると、Webサイトに深刻な悪影響が及ぶ可能性があります。

「そのうち消えるだろう」と楽観視するのは非常に危険です。

具体的には、以下のようなリスクが考えられます。

検索順位の大幅な下落

Googleのアルゴリズムがスパムリンクを検知し、サイト全体の評価を下げます。その結果、これまで上位に表示されていたキーワードでも、順位が大きく下がることがあります。

手動による対策(ペナルティ)

悪質なケースでは、Googleの担当者が直接サイトを確認し、ペナルティを科すことがあります。このペナルティを受けると、サイトが検索結果に表示されなくなることもあります。

サイト全体の信頼性低下

検索順位だけでなく、サイトを訪れたユーザーからの信頼も失いかねません。これらのリスクを避けるには、早期発見と適切な対処が重要です。

あなたのサイトは大丈夫?危険な被リンクの簡易セルフチェックリスト

ご自身のサイトがリンクスパムのリスクを抱えていないか、簡単なリストで確認してみましょう。

以下の項目に「はい」がいくつ当てはまるか、数えてみてください。

  • サイトのテーマと全く関係ないジャンルのサイトからリンクされている。
  • 海外の、ターゲット層とは無関係な言語のサイトからのリンクがある。
  • ランダムな文字列のような、意味不明なドメイン名のサイトからリンクされている。
  • 過去に、SEO目的でリンクを購入したことがある。
  • ブログのコメント欄に、宣伝目的と思われるリンクがたくさん付いている。
  • 「相互リンク集」のような、リンクを張り合うことだけが目的のサイトに登録している。
  • 特定のキーワードだけが詰め込まれたアンカーテキストのリンクが多い。

いかがでしたか。

もし「はい」が1つでもあった場合は、注意する必要があります。

これはあくまで簡易的なチェックですので、次は無料ツールを使ってより詳しく調べていきましょう。

【実践編】Google Search Consoleでリンクスパムを確認する全手順

ここからは、実際にツールを使い、ご自身のサイトの被リンク状況を確認する手順を解説します。

使用するのは、Googleが無料で提供している「Google Search Console」です。

まだ導入していない方は、この機会にぜひ設定してみてください。手順どおりに進めれば、誰でも簡単に確認できます。

STEP1:Search Consoleの「リンク」レポートで被リンク状況を把握する

まずは、どのようなサイトからリンクを受けているのか、全体像を確認します。

以下の手順で「リンク」レポートを開いてください。

  1. Google Search Consoleにログインします。
  2. 左側のメニューから「リンク」をクリックします。
  3. 画面右側にある「外部リンク」という項目の中の「詳細」をクリックします。

すると、あなたのサイトにリンクを送っているサイト(リンク元サイト)の一覧が表示されます。

この一覧が、スパムリンクが紛れ込んでいないかを確認するための基本データとなります。

STEP2:危険なリンク元サイトを見分ける4つのチェックポイント

表示されたリンク元サイトの一覧を、1つずつチェックしていきます。その際、特に注意して見るべきポイントは以下の4つです。

1.サイトのテーマとの関連性

あなたのサイトのテーマと、リンク元サイトのテーマは関連していますか。例えば、料理レシピのサイトが、金融系のサイトから大量にリンクされているのは不自然です。

2.海外サイトからの不自然なリンク

明らかに日本語圏を対象としたサイトなのに、中国語やロシア語のサイトからリンクされていませんか。こうした海外からの無関係なリンクは、スパムの典型例です。

3.意味不明なドメイン名・URL

abc-123.xyzrandom-string-seo.info のような、意味をなさないドメイン名は注意が必要です。低品質なサイトは、こうしたドメインを使い捨てで利用する傾向があります。

4.不自然なアンカーテキスト

「上位のリンク元テキスト」のレポートも確認しましょう。

「激安 通販」「ダイエット サプリ おすすめ」のように、キーワードだけが不自然に並んでいる場合は危険信号です。

これらのポイントに当てはまるリンク元サイトは、スパムリンクである可能性が高いと判断できます。

もしリンクスパムを発見したら?今すぐできる2つの正しい対処法

危険なスパムリンクを見つけても、慌てる必要はありません。

これから紹介する正しい手順で対処すれば、サイトへの悪影響を最小限に抑えることができます。

対処法は、大きく分けて2つのステップがあります。

対処法①:サイト管理者へのリンク削除依頼【テンプレート付】

まず試すべきなのは、リンク元サイトの管理者に直接連絡し、リンクの削除を依頼することです。

これはGoogleも推奨している、最も基本的な対処法です。

サイトのお問い合わせフォームや、会社概要ページに記載された連絡先を探してみましょう。

依頼する際は、以下のテンプレートを参考に、丁寧な文章で連絡することをおすすめします。


【件名】
貴サイトからのリンク削除のお願い(〇〇株式会社 △△)

【本文】
〇〇(サイト名)運営ご担当者様

突然のご連絡失礼いたします。
私、「〇〇(あなたのサイト名)」を運営しております、△△と申します。

この度は、貴サイトの下記ページより、当サイトへリンクを設置いただき、誠にありがとうございます。

▼貴サイトの該当ページ
https://example.com/page

しかしながら、大変恐縮ではございますが、諸般の事情により、以下のリンクを削除していただけないでしょうか。

▼削除をお願いしたいリンクのURL
https://your-site.com/target-page

お忙しいところ大変申し訳ございませんが、ご対応いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。


ただし、スパムサイトの管理者は、この依頼に応じてくれないケースがほとんどです。

リンク削除依頼後、一定期間(例えば数週間程度)が経過しても返信や対応がない場合は、次のステップに進むことを検討しましょう。

対処法②:Googleの「リンク否認ツール」で無効化する手順と注意点

削除依頼が難しい場合の最終手段が、Googleの「リンク否認ツール」です。

このツールは、「このリンクは私のサイトと無関係なので、評価に含めないでください」とGoogleに申請するためのものです。

【重要】このツールは非常に強力なため、使用は慎重に行う必要があります。

健全なリンクを誤って否認すると、かえってサイトの評価を下げてしまう可能性があるからです。

手順

  1. 否認リストの作成
    • メモ帳などのテキストエディタを開きます。
    • 否認したいページのURLを、1行に1つずつ入力します。
    • 特定のドメインからのリンクを全て否認したい場合は domain:example.com と入力します。
    • ファイル名は自由ですが、文字コードは「UTF-8」で保存してください。
  2. リンク否認ツールへアクセス
  3. ファイルのアップロード
    • 対象となるサイト(プロパティ)を選択します。
    • 先ほど作成したテキストファイルをアップロードします。

これで申請は完了です。

ただし、Googleの評価に申請内容が反映されるまでには、数週間から数ヶ月かかる場合があります。

今後の予防が肝心!リンクスパムを防ぎ、健全なサイトを育てる方法

ここまで、問題が起きてからの対処法を解説してきました。

しかし、最も重要なのは、そもそもリンクスパムの問題が起きないように「予防」することです。

対症療法ではなく、サイトの体質そのものを強くしていくことが重要です。

質の高いコンテンツを作成し、自然な被リンクを獲得する王道SEO

リンクスパムに対する最も効果的で根本的な予防策は、これに尽きます。

それは、ユーザーにとって本当に価値のある、質の高いコンテンツを作り続けることです。

  • 読者の悩みを深く理解し、解決策を提示するコンテンツ
  • あなた自身の経験や専門知識に基づいた、独自性の高いコンテンツ
  • 信頼できる情報源を元にした、正確で分かりやすいコンテンツ

このような質の高いコンテンツは、他のサイト運営者から「参考にしたい」「紹介したい」と思われ、自然な形でリンクが集まります。

小手先のテクニックに頼るのではなく、サイト運営の王道を歩むことが、最大のリスク回避策なのです。

定期的なモニタリングでサイトの健康状態を保つ習慣を

サイト運営は、一度作って終わりではありません。

人間の健康診断と同じように、定期的にサイトの状態をチェックする習慣をつけましょう。

例えば、「毎月1日にGoogle Search Consoleのリンクレポートを確認する」と決めておくのがおすすめです。

定期的にモニタリングすることで、万が一不審なリンクが増え始めても、すぐに気づいて対処できます。

早期発見・早期対応が、サイトを深刻なダメージから守る鍵となります。

自力での対応に不安なら…多くの実績を持つ専門家へ相談

「手順は理解できたけれど、自分で判断するのは不安だ。」

「日々の業務が忙しく、そこまで手が回らない。」

もし、そう感じたなら、専門家に相談するのも有効な選択肢の一つです。

株式会社サイダーストーリーは、Webサイト改善の実績を持つデジタルマーケティングの専門家集団です。私たちは、単に作業を代行するだけでなく、お客様のチームの一員として課題解決に並走します。

  • 豊富な実績: 士業、美容クリニック、ECサイトなど、多岐にわたる業種での成功事例があります。
  • 伴走型の支援: お客様と密に連携を取り、課題解決に向けて二人三脚で取り組みます。
  • AIを活用したデータ分析: 膨大なデータをAIで解析し、最適なマーケティング戦略を立案します。

もしリンクスパムやSEOに関するお悩みがあれば、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

専門家の視点から、あなたのサイトの健康状態を診断し、最適な解決策をご提案します。

まとめ:リンクスパムからサイトを守り、安全なサイト運営を!

この記事では、リンクスパムの基本から、具体的な確認・対処方法、そして今後の予防策までを解説しました。

リンクスパムは、知らないうちにサイトの評価をじわじわと蝕む、静かな脅威です。

しかし、その正体を正しく理解し、定期的にサイトの状態をチェックする習慣があれば、決して怖いものではありません。

最も大切なのは、質の高いコンテンツを作り、ユーザーに価値を提供し続けるというサイト運営の基本です。

この記事が、あなたの健全なサイト運営の一助となれば幸いです。

監修者紹介 Profile

Kazuki Sumida
株式会社サイダーストーリー炭田 一樹

大学在学中に株式会社デジタルトレンズに入社

  • 自社メディア事業として複数メディアを統括し、社内MVPを複数回受賞。
  • 新規事業部を立ち上げ、広告・SEOを含む複数施策のプロジェクトを1人で完結。
  • 新卒1年目から福岡支社長に抜擢され、0からの立ち上げを経験。

2023年に独立し、株式会社サイダーストーリーを創業

  • Webマーケティングを駆使した受託事業・自社事業を展開。
  • AIを活用した業務効率化/業務標準化にも挑戦中。