被リンクSEO対策の教科書|効果的な被リンク獲得方法と注意点
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- 最終更新日時
- 2025.10.02
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- 作成日時
- 2024.10.06
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SEO対策
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- 著者
- SIDER STORY 編集者

「競合サイトは検索上位なのに、なぜ自社サイトの順位は上がらないのだろう?」
「良質なコンテンツを作っているはずなのに、アクセス数が伸び悩んでいる…」
もしあなたが中小企業の経営者やWebマーケティング担当者で、このような課題を抱えているなら、その差は「被リンクの質と量」にあるかもしれません。
この記事では、SEO対策の核心ともいえる「被リンク」について、その基礎知識から2025年最新の戦略までを網羅的に解説します。
数々のサイトを上位表示させてきたプロの知見を基に、明日から実践できる具体的な獲得手法やツール活用術を、豊富な事例とともにお届けします。最後まで読めば、あなたのサイトが次のレベルへ進むための、明確な道筋が見えるはずです。
被リンクSEOの基礎知識
まず、被リンクがなぜSEOにおいてこれほど重要視されるのか、その本質を理解しましょう。
被リンクとは?SEOにおける「信頼の証」
被リンク(バックリンク)とは、外部のWebサイトから自社のWebサイトへ向けられたリンクのことです。
インターネットを巨大な図書館だと想像してみてください。
各Webサイトが一冊の本だとすると、被リンクは「この本は参考になるよ」という他の本からの引用や推薦に相当します。
多くの信頼できる本から引用されている本は、価値が高いと評価されますよね。
検索エンジン、特にGoogleも同じ考え方で、多くの質の高いサイトからリンクされているサイトを「信頼性が高く、価値あるサイト」と判断し、検索結果で優遇するのです。
なぜ被リンクはSEOに重要なのか?Googleの評価基準から解説
被リンクの重要性は、Googleの検索アルゴリズムの根幹であるページランクという考え方に由来します。ページランクは、リンクを「投票」とみなし、多くの票を集めるページを重要だと評価します。
参考:Google「検索システムの仕組み」
この基本的な考え方は、現在のSEOにおいても変わりません。
さらに、Googleがコンテンツの品質を評価する上で重視する「E-E-A-T」という基準においても、被リンクは極めて重要な役割を果たします。
- E – Experience(経験): 実際に製品やサービスを使用したレビュー記事からのリンクなど
- E – Expertise(専門性): 専門機関や研究サイトからのリンク
- A – Authoritativeness(権威性): 公的機関や業界のリーディングカンパニーからのリンク
- T – Trustworthiness(信頼性): 長年運営されている信頼性の高いサイトからのリンク
自社で「私たちは専門家です」と主張するだけでなく、第三者である外部サイトからの被リンクによって、その主張が客観的に裏付けられるのです。
関連記事:【E-E-A-Tとは?】SEOにおけるE-E-A-T完全理解ガイド!評価基準と具体的な対策法を解説
被リンクの種類と評価基準
一言で「被リンク」といっても、そのすべてが同じ価値を持つわけではありません。
SEO効果を最大化するためには、「良質なリンク」と「悪質なリンク」を正しく見極める必要があります。
SEO効果の高い「良質な被リンク」の特徴
良質な被リンクは、サイトの評価を大きく向上させます。
具体的には、以下の特徴を持つリンクが該当します。
- 関連性の高いサイトからのリンク: 自社の事業やテーマと関連性の高いサイトからのリンクは、非常に価値が高いと評価されます。
- 権威性・信頼性の高いサイトからのリンク: 政府機関(go.jp)、大学(ac.jp)、大手メディア、業界で有名な企業からのリンクは、自社の権威性を高めます。
- ユーザーによって自然に設置されたリンク: コンテンツの価値が評価され、ユーザーが「この記事を紹介したい」という動機で自然に貼ったリンク(ナチュラルリンク)は、Googleから最も高く評価されます。
- dofollow属性のリンク: リンク先にページの評価を受け渡す
dofollow
属性(デフォルト設定)のリンクは、直接的なSEO効果が期待できます。
関連記事:リンクポピュラリティとは?SEO対策の基礎知識と、被リンクの質を高める方法
ペナルティリスクのある「悪質な被リンク」のパターン
逆に、以下のような悪質な被リンクは、サイトの評価を下げるだけでなく、Googleから手動ペナルティを受ける原因にもなります。絶対に避けましょう。
- SEO目的の有料リンク: Googleのガイドラインで明確に禁止されている、金銭の授受によるリンクの売買。
- 低品質なサイトからの大量リンク: プログラムで自動生成されたブログや、内容が薄いサイトからの不自然なリンク群。
- 関連性の全くないサイトからのリンク: 例えば、健康食品のサイトからITツールのサイトへのリンクなど、文脈上不自然なリンク。
- 隠しテキストや隠しリンク: ユーザーには見えない形で設置されたリンク。
関連記事:ペイドリンクとは?知らないと危険!SEOペナルティのリスクと安全な被リンク獲得法を徹底解説
【比較表】良質な被リンク vs 悪質な被リンク
両者の違いを一覧で確認しましょう。
評価軸 | ◎ 良質な被リンク | × 悪質な被リンク |
---|---|---|
関連性 | 自社サイトのテーマと関連性が高い | 関連性が低い、または全くない |
権威性 | 公的機関、大手メディア、専門サイトなど | 低品質なディレクトリ、スパムサイト |
獲得方法 | 質の高いコンテンツによる自然な獲得 | リンクの購入、自作自演、過剰な相互リンク |
アンカーテキスト | 文脈に沿った自然なテキスト、多様性がある | 同じキーワードの繰り返し、不自然な長文 |
リンク元サイト | コンテンツが定期的に更新され、ユーザーに価値を提供している | 更新が停止している、広告ばかり、内容が薄い |
【事例で学ぶ】効果的な被リンク獲得の実践手法8選
ここでは、理論だけでなく、具体的な成功事例を交えながら、明日から使える被リンク獲得手法を解説します。
1. コンテンツマーケティングによる自然獲得
ユーザーの課題を解決する質の高いコンテンツを作成し、自然な被リンク獲得を目指す、最も王道かつ効果的な手法です。
BtoB企業の事例
業界のカオスマップなどのホワイトペーパーや独自調査レポートを無料公開し、業界ニュースサイトや専門ブログで引用を集める。3ヶ月でドメインパワーの高いリンクを15本以上の獲得を確認。(キーワードの上位化も多数)
ECサイトの事例
あるアパレルブランドが、「骨格診断別・似合う服の選び方」という詳細なガイド記事を作成。これがSNSで話題となり、多くのファッション系インフルエンサーやまとめサイトからリンクを獲得。
2. 戦略的アウトリーチ(被リンク営業)
自社コンテンツと関連性の高いサイト運営者に直接連絡を取り、リンク掲載を依頼する能動的な手法です。
成功のコツ
- リンクを依頼するメリットを相手に提示する(例:「貴社記事の読者がより深く理解するのに役立ちます」「最新の情報に更新できます」)。
- 誰にでも送っているような定型文ではなく、相手のサイトを読み込んだ上でパーソナライズされたメールを作成する。
- いきなりリンクを依頼するのではなく、まずはSNSで交流するなど関係性を構築する。
3. ゲスト投稿(寄稿)
他社のメディアに専門家として記事を寄稿し、その記事内や著者プロフィールから自社サイトへリンクを設置してもらう手法です。
士業事務所の事例
ビジネス系メディアに「最新の採用トレンド」に関する記事を寄稿。権威あるメディアからの被リンクにより、対象サイトの信頼性が向上。
4. プレスリリース配信
新サービス、イベント、調査結果などの新規性のある情報をプレスリリースとして配信し、ニュースサイトからの被リンクを狙う手法です。
- ポイント:
- 単なる宣伝ではなく、社会性や新規性のある「ニュース」として情報を作成する。
- 配信サービス(例: @Press, PR TIMES)を活用し、多くのメディアに情報を届ける。
5. 専門家へのインタビュー
業界の権威や専門家にインタビューを行い、その内容を記事コンテンツとして公開します。
- 効果:
- インタビュー相手が自身のSNSやサイトで記事を告知してくれることで、被リンクやサイテーション(言及)を獲得しやすくなります。
- コンテンツの専門性と権威性が高まり、E-E-A-T向上に直結します。
6. 相互リンク
お互いのサイトにリンクを貼り合う古典的な手法ですが、現代のSEOでは取り扱いに細心の注意が必要です。
- 原則として非推奨: Googleは、検索順位を操作することだけを目的とした過剰な相互リンクをガイドライン違反と見なしています。安易な相互リンクは、ペナルティのリスクを伴います。
- 唯一許容されるケース: ユーザーにとって明確な価値がある場合のみです。例えば、行政書士事務所のサイトが、提携している税理士事務所のサイトへ「税務相談はこちら」と案内するような、読者の利便性を高めるための自然なパートナーシップは問題ありません。
- 避けるべき例:
- サイトのテーマに関連なく、ただリンク数を増やすためだけの相互リンク。
- 「相互リンク集」のようなページを作成し、多数のサイトと機械的にリンクを貼り合うこと。
結論: 被リンク獲得の主要な戦略として相互リンクに頼るのはやめましょう。あくまで、ユーザーにとって価値のある自然な紹介の形に留めるべきです。
7. ソーシャルメディア(SNS)の活用
X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなどでの発信は、被リンク獲得の「きっかけ」を作る上で非常に有効です。
間接的な効果を狙う
SNSからのリンクの多くはnofollow
属性(SEO評価を直接渡さない設定)ですが、重要なのはそこではありません。SNSでコンテンツが拡散(シェア)されることで、それを見たブロガーやメディア関係者が、自身のサイトで引用・紹介してくれるチャンスが生まれるのです。これが質の高い自然な被リンクに繋がります。
成功のポイント
- 視覚的に分かりやすいコンテンツを作成する: 調査データやノウハウをまとめたインフォグラフィックや図解は、SNSでシェアされやすく、ブログ記事にも引用・埋め込みされやすい傾向があります。
- ターゲットに情報を届ける: コンテンツを公開した後、関連するテーマを扱うインフルエンサーやメディアのアカウントに「@メンション」付きで通知し、認知を促すことも有効です。
8. インフルエンサーマーケティング
特定の分野で影響力を持つインフルエンサーに自社の製品やサービス、コンテンツを紹介してもらう手法です。
ブロガーとの連携を重視する
被リンク獲得が目的の場合、SNSのフォロワー数だけでなく、自身のブログ(Webサイト)を運営しており、そのサイトのドメインパワーが高いインフルエンサーとの連携が鍵となります。
ギフティングと誠実なレビュー依頼
製品やサービスを無償で提供(ギフティング)し、率直な感想をブログでレビューしてもらうよう依頼します。重要なのは「良いことだけを書いてください」と依頼するのではなく、あくまで誠実なレビューを促すことです。
- 注意点: 金銭的な対価を支払って記事を依頼する場合、Googleのガイドラインに従い、そのリンクには
rel="sponsored"
属性を付与するのが望ましいとされています。これはステルスマーケティングを避けるためにも重要です。
被リンクの分析・管理に必須のツール活用術
効果的な被リンク戦略には、現状分析と競合調査が欠かせません。ここでは、プロも愛用する必須ツールとその活用法を解説します。
無料で始めるなら:Google Search Console
自社サイトにどのようなサイトからリンクが貼られているかを確認できる、Googleの公式無料ツールです。
確認方法
- 左側メニューから「リンク」を選択。
- 「外部リンク」セクションの「上位のリンク元サイト」で、どのサイトから多くリンクされているかが分かります。
活用ポイント
意図しない低品質なサイトからリンクされていないか、定期的にチェックしましょう。もし悪質なリンクを発見した場合は、「リンク否認ツール」でGoogleにそのリンクを無視するよう申請できます。
競合サイトを丸裸に:Ahrefs(エイチレフス)
有料ツールですが、競合サイトの被リンク状況を詳細に分析できる、SEOのプロにとって必須のツールです。
Ahrefsで実施できること
- 競合サイトが「どこから」「どのようなアンカーテキストで」被リンクを獲得しているか一覧で確認。
- 競合は獲得しているが、自社は獲得できていない「リンクの機会」を発見。
- 新規で獲得された被リンクや、失った被リンクをアラートで通知。
活用例
上位表示されている競合サイトを3〜5社分析し、共通してリンクを掲載している権威性の高いサイト(業界団体、大手メディアなど)をリストアップ。そのサイトに自社も掲載してもらえるようなアプローチ戦略を立てることができます。
多機能なオールインワンツール:Semrush(セムラッシュ)
Ahrefsと同様に、被リンク分析からキーワード調査、サイト監査まで幅広く対応できる高機能ツールです。
Backlink Auditツールを使えば、自社サイトの被リンクの「毒性スコア(Toxicity Score)」を算出し、有害なリンクを自動でリストアップしてくれます。これにより、リンク否認作業を効率化できます。
2025年以降の被リンクSEO戦略
検索エンジンが進化し続ける中、被リンク戦略もアップデートしていく必要があります。
AI生成コンテンツと被リンク価値の変化
AIによってコンテンツの大量生産が容易になった今、ありきたりな情報の価値は相対的に低下します。
これからの時代に評価されるのは、AIには生み出せない、独自の経験や一次情報、深い専門性に基づいたコンテンツです。
このような質の高いコンテンツから自然に生まれる被リンクの価値は、今後ますます高まっていくでしょう。小手先のテクニックではなく、コンテンツの本質的な価値を追求することが、持続可能なSEO戦略の鍵となります。
関連記事:AI SEOで劇的に変わるSEO対策!効果的な活用方法からメリット・デメリットまで徹底解説
量から質へ:持続可能なリンクビルディング体制の構築
過去のように、ただリンクの数を増やすだけの戦略はもはや通用しません。
これからは、一件一件のリンクの「質」と「関連性」を重視し、中長期的な視点で自社のブランド価値を高めていくような、持続可能な関係構築が求められます。
目指すべきは、業界内で「このテーマなら、まずあのサイトを見るべき」と第一想起されるような、権威ある存在になることです。
被リンクSEOに関するよくある質問
ここでは、実践者からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 競合サイトの被リンクを調べる方法は?
A. AhrefsやSemrushといった有料ツールを使うのが最も効率的かつ詳細な分析が可能です。これらのツールに競合のURLを入力するだけで、どのようなサイトから、どのようなアンカーテキストでリンクを獲得しているかを一覧で確認できます。これにより、競合がどのような戦略で上位表示を達成しているのかを知るヒントが得られます。
Q. 被リンク営業のメール文面のコツは?
A. 成功の鍵は「徹底したパーソナライズ」と「相手へのメリット提示」です。まず相手のサイトの記事をしっかり読み込み、「〇〇という記事の△△というデータは非常に参考になりました」のように具体的に言及します。その上で、「この記事の読者にとって、私たちが公開したこちらの最新レポートも必ず役立つはずです」といった形で、なぜあなたのサイトをリンクすべきなのか、相手の読者目線でメリットを伝えることが重要です。
Q. 被リンクの効果はどれくらいで実感できますか?
A. 一概には言えませんが、一般的には3ヶ月〜半年程度の中長期的な期間で効果が現れ始めます。権威性の高いサイトから質の良いリンクを1本獲得しただけでも、数週間で順位が大きく変動することもあります。Google Search Consoleや順位計測ツールで、被リンク獲得後の検索順位や流入数の変化を定点観測することが大切です。
Q. リンクが増えたのに順位が上がらない原因は?
A. いくつか原因が考えられます。
- 低品質なリンクばかり増えている: 関連性の低いサイトやスパムサイトからのリンクは逆効果になることがあります。
- 内部対策に問題がある: サイトの構造やコンテンツの質など、内部SEOに課題がある場合、被リンクの効果が十分に発揮されません。
- 競合も同様にリンクを増やしている: 競争の激しいキーワードでは、競合サイトも強力な被リンク対策を行っているため、相対的に順位が上がりにくいことがあります。
関連記事:内部SEO対策の基礎を徹底解説!必ず確認したいチェックリスト
まとめ|質の高い被リンクでサイトを次のステージへ
本記事では、被リンクSEOの基礎から、2025年を見据えた最新の戦略、そして具体的な実践手法までを解説しました。
被リンク対策は、もはや単なるテクニックではありません。
良質なコンテンツを通じて業界やユーザーとの信頼関係を築き、自社の専門性や権威性を客観的に証明していくための、事業戦略そのものです。
今回ご紹介した内容を参考に、量より質を重視した被リンク戦略を実践し、あなたのサイトを競合が追いつけないステージへと引き上げてください。
脚注
- Google 検索セントラル「リンクスパム」
- Google 検索セントラル ブログ「高品質なサイトの作成方法についてのガイダンス」
監修者紹介 Profile

大学在学中に株式会社デジタルトレンズに入社
- 自社メディア事業として複数メディアを統括し、社内MVPを複数回受賞。
- 新規事業部を立ち上げ、広告・SEOを含む複数施策のプロジェクトを1人で完結。
- 新卒1年目から福岡支社長に抜擢され、0からの立ち上げを経験。
2023年に独立し、株式会社サイダーストーリーを創業
- Webマーケティングを駆使した受託事業・自社事業を展開。
- AIを活用した業務効率化/業務標準化にも挑戦中。